MelBurdとGOVOCE
あじかんは、焙煎ごぼうの新たな可能性を発掘するために、素材の機能性研究から製造技術開発、用途開発研究を日夜続けています。そのような中で、焙煎ごぼうを主原料としたチョコレート風の食品素材を新開発しました。
ごぼう生まれの新スイーツ素材 MelBurd(メルバード)
焙煎ごぼう独自の香ばしさを残しながら、言われなければごぼうだと分からないほどのチョコレートに似た風味を有する食品素材。この新素材について、Melting(とろける)、Mellow(芳醇な)+Burdock(ごぼう)を組み合わせて『MelBurd(メルバード)』と命名しました。ごぼうを用いたヘルシーでサスティナブルなスイーツ素材として、国内外の食品市場に新しい地位を確立していきたいと考えます。このMelBurdは、焙煎ごぼうとココアバター代用脂とを含有する食品として特許出願中です。
MelBurdがチョコレートっぽい理由
ごぼうを焙煎しているから
生のごぼうにはチョコレートの香りは含まれていません。あじかんでは独自技術でごぼうを皮ごと焙煎しており、その過程でチョコレートの香りが発生するのです。市販のチョコレートとMelBurdの香りの分析を行った結果、チョコレートから検出した10種類の香りのうち、MelBurdにも8種類が共通して含まれており、香りの成分は意外と似ていることを突き止めたのです。
雑な香りを飛ばしているから
共通の香り成分を持っているものの、焙煎ごぼうをそのまま食べてもチョコレートらしさを感じません。実は製造工程にも秘密があります。焙煎ごぼうは、香りを100種類以上持っており、複雑な香りになっています。そのため、そのままではチョコレートらしい香りが隠れてしまい、せっかくの香りを感じられないのです。そこであじかんでは、MelBurdの製造時に一定の温度を保ち、弱い香りを飛ばすことにしました。そうすると、チョコレートと共通の香りが際立つのです。さらにごぼうが本来持つ芳醇な香りも洗練され、食べやすく調和した風味を実現しています。
材料を微粒子化しているから
MelBurdは原料の粒子サイズにもこだわっています。最初の試作品はざらざらした食感で口当たりは最悪でした。その理由は、砂糖やごぼうの粒子でした。チョコレートの製造条件を調査したところ、人間の舌がざらつきを感じない粒子サイズは0.02mm(髪の毛の5分の1の太さ)と分かりました。そこで、MelBurdも原料を極限まで微粒子化したところ、チョコレートと同じなめらかな口どけが実現できたのです。
失敗作から始まったMelBurd開発秘話
開発担当:研究部 平尾凌
動物性素材を使わないプラントベース食品の開発中に、たまたまココアバターという馴染みのない食品を見つけました。名称にバターとつくため乳製品だと思い込み、乳を使わない(ココア)バターを作ることに。ココナッツオイルとココアパウダーを混ぜたところ、出来上がったのはチョコレート…ココアパウダーを使っているのでチョコレート風味がしても不思議ではないですし、バターでもありません。失敗したと思い、捨てようとしました。
しかしその時に、あじかんのごぼう茶の「茶葉」は食べても美味しいと営業部隊が言っていたのを思い出しました。そのまま入れると口に残るため、細かく砕いた茶葉をココアパウダーの代わりに、ココナッツオイルと混ぜてみました。意外にも美味しく、どことなくチョコレートに似た風味を感じました。
これがカカオ不使用のチョコレートっぽい素材「MelBurd」の始まりです。よく調べると、ココアバターは植物由来なので、最初からプラントベース食品でした…私が無知だったから、この発明(失敗作)が生まれたのだと思います。
その特徴的な風味や口どけを洗練するために128回もの試作をくり返しながら、素材の完成度を高めました。特に後味、香り、口どけには徹底的にこだわり、子どもから大人まで幅広く親しまれる美味しさを追求。さらに栄養面においても、ごぼう由来のイヌリンやポリフェノールを豊富に含み、ノンカフェインでもあるため、幅広い層に食べて頂きやすい新素材に仕上がりました。
あじかん初のチョコレート風菓子 GOVOCE(ゴボーチェ)の誕生
さらに開発を進め、MelBurdを手軽に、おいしく、食べていただくために商品化したものが「GOVOCE(ゴボーチェ)」です。約2cm角のカレ状のチョコレート風菓子に仕上げました。GOVOCEはごぼうの「GOBOU」と、デザートを意味するイタリア語の「DOLCE(ドルチェ)」、声を意味するイタリア語の「VOCE(ヴォーチェ)」を掛け合わせた造語です。ごぼうを楽しんでいただきたいという思いとお客様の声を今後も大切にしたいという思いが含まれています。
GOVOCEの特長
- こだわりの風味
- ごぼうの重厚でコク深い味やビターチョコレートのような風味をほんのり感じ、チョコレート好きの方にも美味しくお召し上がりいただけます。
- 豊富な食物繊維
- ごぼうの食物繊維が1枚(4.2g)に約0.7g含まれています。2枚でレタス100g以上の食物繊維を摂取できます。(日本食品標準成分表に基づく数値)
- ノンカフェイン
- カカオ不使用なので、体にやさしいノンカフェインです。
- フラクトオリゴ糖
- 善玉菌のエサになるフラクトオリゴ糖を配合し、より体が喜ぶ設計にしています。
広島大学 上野聡教授による
アドバイスと評価
MelBurdを開発する中で、広島大学生物生産学部の上野聡教授に評価を依頼しました。 上野教授が専門としているのは、食品物理学という分野です。チョコレートやマーガリンのような「油脂」を含んだ食品の物理的な性質を調べておられ、なかでも“チョコレート”研究に最も精力的に取り組んでおられます。
おいしいチョコレートというのは、独特のとろけ感、舌触りや歯ごたえ、噛んだ時の固さとか、それぞれ微妙に違っています。人間の舌は非常に繊細にできていて、さまざまな感覚を感じ取っているのです。この感覚を総じて「食感」と呼びます。
上野教授に初めてMelBurdを食べていただいた時は「正直、苦くて食感も悪く、美味しくない」というご感想でした。そこで油脂についてのアドバイスを受け、何度も改良を重ねた結果、食感的に問題ないという評価をいただけるようになったのです。
上野教授から「ごぼうには健康的なイメージがもともと備わっているため、カカオと同様に美味しく健康的に食べられるスイーツとしてのポテンシャルに期待している。欲を言えば苦味を感じにくい配合に改良されれば、もっと消費者に受け入れられるでしょう」というアドバイスを真摯に受け止め、さらに開発を進めて完成したのが「GOVOCE」です。
メディア向け試食会で
全員が「美味しい」と回答
2023年9月27日にメディア関係者を対象とした試食会を都内で実施。試食後のアンケートでは、回答者全員が「美味しい」と評価されました。また、「想像以上にチョコレートらしくて驚いた」「ごぼうの風味がかすかにして、口どけがまろやか」「ビターな香味で飽きずに食べられる」などと高評価をいただきました。健康面でもメリットが多いため、子供のおやつやお酒のおつまみ、ご年配の方々のお茶うけなどとして推奨され、カフェインを気にする妊婦さん、便秘気味で悩む人たちにも良いのではというご意見も寄せられました。
※アンケート方法:試食会場にて参加者41名に対しアンケート用紙にて実施。
応援購入サイト「Makuake」で
わずか1日で目標達成
2023年11月10日から応援購入サイトMakuake(マクアケ)にて、GOVOCEのテスト販売予約を開始。スタート初日に目標金額を達成し、全国のチョコレートファンをはじめ、健康的なスイーツを好まれる方、カカオアレルギーの方などから興味と期待を込めた応援メッセージを数多くいただいております。
TVやWeb、新聞などで
次々と高まる期待
ニュースリリース配信後、全国のTVやWeb、一般紙、業界紙、雑誌などにご紹介いただき、新しいスイーツ素材として熱い注目と大きな期待を集めています。
さまざまなアレンジで
新スイーツへ拡がる可能性
素材であるMelBurdは、クランチチョコレートやカヌレ、豆菓子、プリンなど、さまざまなスイーツに展開できます。MelBurdを用いた健康スイーツの新商品開発にも期待が寄せられます。
あじかんの挑戦
MelBurdやGOVOCEを世界へ
あじかんの願いは「ごぼうがより身近な食品として、活躍する場面や機会を創造し、健康で豊かな社会に貢献すること」です。また、その先に「ごぼうが世界的な健康食材として食べられている未来を実現すること」も視野に入れております。
私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。「MelBurd」や「GOVOCE」を通じて、今までにない「ごぼう」の新しい魅力に触れていただけるよう、「ごぼうの常識」を超えていく活動を続けていきます。これからも私たちの活動を応援していただけると嬉しいです。
また、私たちは、焙煎ごぼうが健康茶に留まらず、様々な加工食品に応用できる「機能性素材」として可能性を秘めていると考えています。美味しさと健康を兼ね備えた「ごぼう」の魅力を広く知っていただき、少しでも多くの方の健康で豊かな食生活に役立てていただければ幸いです。