〈 アサリ 〉―潮のうまみをたっぷり含んだ最もなじみ深い二枚貝。
春から初夏にかけて味が深まります。

陽炎にぱっかり口を浅蜊かな
             小林一茶  

 アサリは同じ科に属するハマグリといわば親戚関係にある二枚貝で、日本人に最も親しまれてきた春の食材の一つです。国内各地の内湾に棲息し、殻は3cm前後が一般的。中には5cmを超えるものもあります。殻の表面はツルツルしたハマグリとは違い、荒布のようにザラザラとした手ざわりで、グレー、白、ベージュが入り交じった様々な斑紋が特徴です。
 身が大きく太り、美味しさを増すのは、産卵期前の2〜5月にかけて。吹く風が心地よい季節には、潮干狩りの格好の獲物になります。広い干潟でジュクジュクと湿り、表面に小さな穴がポツポツとあいた所を掘るのがコツ。1つ探しあてたら、次々見つかることも多く、時間を忘れてしまう面白さです。また、アサリは昆布のうまみ成分であるグルタミン酸を含んでいますが、うまみの主成分は、日本酒のうまみ成分でもあるコハク酸です。 汁物のだしをアサリだけでとっても、大変美味しく感じるのは、アサリそのものに濃いうまみがあるからです。
 他の素材との相性も良く、料理法は実に多彩。殻付きは、和風の潮汁や味噌汁、酒蒸しに。ただし、旬の時期のアサリは身に栄養分が集中し、カラが薄く割れやすくなっていることがあるので、下準備や調理の際に注意が必要です。
 むき身は、ぬたなどの和え物や揚げ物、佃煮に。ショウガの風味をきかせた炊き込みご飯や深川丼(※)も、ぜひ試したい一品です。
 イタリアンのパスタをはじめ、クリーム味やトマト味のチャウダー(※)、四川風のピリカラ味の炒め物などもすっかり定着しており、洋風・中華素材としても頻繁に登場しています。
 最近はパック入りのアサリが多いようですが、貝の口が薄く開いたまま閉じないものや、パック内の水が濁っているものは鮮度が落ちているので避けてください。

※深川丼:江戸時代、漁師の町だった深川(現在の東京都江東区あたり)で生まれた漁師料理の一種。アサリとネギの味噌汁をご飯にかけたもの。
※チャウダー:具だくさんのスープ





●取り寄せ情報

アサリ
3,000円/3kg
5,000円/5kg (送料別・税別)
※期間は3月1日〜5月末までとなります。

魚栄
TEL 0563(32)2637
FAX 0563(32)3165
愛知県幡豆郡吉良町宮崎宮前17

アサリ(マルスダレガイ科)

100gあたり約49kcal。コレステロールを低下させ、肝機能を強化するアミノ酸の一種、タウリンを豊富に含んでいます。鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅などのミネラル源としても優れ、貧血の予防に効果があります。




■材料(4人分)

アサリ(殻付き) 500g
酒 少々
ワケギ 1束
キムチ 150g
ごま油 大さじ2


◇種
小麦粉 1カップ
卵 1個
水 3/4カップ
砂糖 少々

◇酢醤油
酢 大さじ2
醤油 大さじ2
コチュジャン 小さじ1




アサリの韓国風お好み焼

■作 り 方
1. アサリは砂出ししてよく洗い、鍋に入れて酒をふり、蓋をして強火にかける。アサリの口が開いたら火を止め、身を取り出す。
2. ワケギは3cm長さに、キムチは一口大に切る。
3. ボールに種の材料を混ぜ合わせ、アサリ、ワケギ、キムチを汁ごと加える。
4. フライパンにごま油をひいて熱し、3.の種を薄く丸く流して両面をこんがりと焼く。
5. 食べやすく切って器に盛り、コチュジャン入りの酢醤油でいただく。
. コチュジャン:韓国の唐辛子味噌。もち米、米こうじ、粉唐辛子などを保存発酵させて作る。


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